前回、PMSの裏側にある体内のしくみ
についてお話しました。
今回は更に深堀していき、
『ホルモンの乱れの更に奥にある問題とは?』
をテーマに解説していきます。
PMS(月経前症候群)は
「ホルモンバランスの乱れが原因」と
よく言われます。
確かにそれは一因ですが、実際には
もっと深い「背景」があります。
では、なぜホルモンバランスは
乱れるのでしょうか?
その鍵のひとつが、近年注目されている
「副腎疲労」という概念です。
私達の体内で女性ホルモン、
特にプロゲステロンは、卵巣だけでなく
副腎でも一部が産生されています。
ところが、慢性的なストレスが続くと、
副腎は生存に関わるコルチゾール(抗ストレスホルモン)
の産生を優先しようとします。
その結果、ホルモンの材料である
プレグネノロンやプロゲステロンの合成が
機能的に低下してしまい、相対的な
エストロゲン優位(=プロゲステロン不足)
という状態に陥りやすくなります。
※この現象は「コルチゾール・スティール」
と呼ばれることもありますが、現在では
「物理的にプレグネノロンが奪われる」というより、
酵素の働きや副腎機能の低下による“代謝の偏り”
として説明されることが一般的です。
画像:https://miyazawaclinic.net/post-6191/
さらに、副腎疲労によって肝臓の解毒機能が
低下すれば、使い終わったエストロゲンの処理が
うまくいかずに体内に再循環してしまいます。
加えて、腸内環境が乱れていると、
エストロゲンが再吸収されてしまい
「エストロゲン過剰状態」が慢性化します。
また、副腎と深く関わる甲状腺機能が低下すると、
代謝が落ちて冷え・むくみ・倦怠感などの症状が
強くなり、PMSの重症化を後押しします。
このように、PMSの根本原因は
「副腎 × 肝臓 × 腸 × 甲状腺」という
ホルモンネットワークの乱れにあるといえます。
単に“ホルモンバランスを整える”だけでなく、
“そのホルモンを生み出す土台”を立て直すことが、
本質的な改善の糸口になるのです。
今回はここまで(^_-)-☆
【次回ブログは】
『PMSを整体で改善するには?』
についてお伝えしますね。 (^^)
〈最後に・・・〉
上記の補足ですが、
副腎疲労になると肝機能が低下する理由
についてです。
副腎が慢性的なストレスで酷使されると、
コルチゾールの分泌が増え、その処理を担う
肝臓に負担がかかります。
さらにストレスで交感神経が優位になると
肝臓への血流が減り、代謝や解毒力も
低下します。
また、副腎疲労により体内の抗酸化力が
落ちることで、肝臓でのグルタチオン合成も
滞りがちになります。
こうした要因が重なることで、
エストロゲンの代謝不良や脂肪肝、
PMSの悪化へとつながるのです。
こういった内容も当院では治療の時に
お話をする西宮市内でも数少ない整骨院に
なります。
という事で、これからも皆さんに様々な角度から
お役に立てる情報を発信していきますね!(*^-^*)
KMS西宮鍼灸整骨院 代表 影山大造