今回は、成長痛であるオスグットが大人でも発症
するのかについてお話します。
いきなり結論ですが、発症します。
その理由をお話する前に、オスグット病がどういっ
たものか簡単に説明します。
オスグット病は一般的には成長痛と言われており
10歳～14歳位に多く見られ、お皿の下にある脛骨
粗面での痛みを訴えます。
原因は、脛骨粗面に付着する大腿四頭筋の硬さに
より、付着部である脛骨粗面に牽引ストレスがかか
るため、骨が未熟な成長期には剥離してしまうか
らです。
ただ剥離した骨は隆起して、その形のまま修復さ
れるため、大人になっても名残として脛骨粗面が
隆起したままになっています。
そのため、大人になっても成長期の頃と身体の使
い方が変わっていなければ、同じように負担はか
かります。
しかし、大人になると骨は完成されているので、
骨が変形することはなく腱・筋肉などが損傷して
しまうのです。
(引用 松田整形外科記念病院 matsuda-oh.com)
同じ箇所でも、付着部の腱の部分であれば
ジャンパー膝と言われますが、今回は脛骨粗面上
の膜部分に炎症が起きる大人のオスグットに
ついてお伝えします。
これは、オスグットを脛骨粗面での痛みと定義した
場合で、成長期だけでなく、大人でもオスグットは
発症する事になります。
ここからは大人のオスグットの特徴です。
成長期の名残で骨が隆起しているという事は、
体表から骨まで皮膚の厚みが少ないので、膝を
ついたり、押したりすると、骨が出ていない人と
比べて守ってくれるものが少ないので痛みが
出やすくなっています。
例えば、掃除をして膝をついているだけなのに
膝が痛い、すぐに腫れると言った事がよくあり
ます。
実際に、これが主訴で来院される事は少ないです
が検査や治療の中で脛骨粗面の隆起を発見した
時に、患者さんに聞いてみると「実はそうなんで
す。」と言った事はよくあります。
また、特徴として脛骨粗面だけでなく周囲5㎝位を
細かく触っていくと、必ず膜の硬いひっかかる箇所
があります。
これは、大腿四頭筋の筋膜が周囲の筋膜を引っ
張っている為に、普段から負担がかかっているの
です。
結果、日常生活のちょっとした事で痛みを感じや
すくなっているのです。
こういった方の特徴としては、股関節が上手く機能
していない場合に多くみられます。
というのも、大腿四頭筋に負担がかかっている人
の特徴として、股関節の引き込みが出来ないので、
骨盤に対して大腿骨を引き付ける事ができま
せん。
そのため、パワーポジションをとると大腿骨は前方
に偏位していきます。
そうすると膝が前に突っ込む形となり、大腿四頭筋
で支えるために過剰に牽引ストレスもかかります。
こういった使い方になる背景には、長時間座って
いる習慣がある人達に多く見られます。
椅子もそうですが、あぐらをかいていても長時間
座っていると骨盤が後傾して、股関節の引き込み
が出来なくなるからです。
そして、今回一番伝えたかったことは、たまにしか
感じない膝の痛みであっても、腰痛や股関節痛の
改善につながるという事です。
どうしても、症状と場所が離れていたり、たまに
しか痛みが出なければ関係ないと思ってしまい
ます。
しかし、ちょっとした痛みや変形があるという事
は、必ず身体に問題が起きており、また他に痛み
などの症状が出ているのであれば、間違いなく
因果関係がある可能性は高くなるのです。
今回の症状であれば、股関節の引き込みが出来な
い事で骨頭が安定せずに、周囲の筋肉が硬くなり
腰痛・股関節痛の原因になります。
また同様に引き込みが出来ないと骨盤は後傾
方向に誘導されるため、腰に伸張ストレスや
椎間板に負担がかかる姿勢になるのです。
このように外傷を除けば、ほぼ全ての症状におい
て、膝だけ、腰だけといった事は考えにくく、身体は
必ずつながっているため、各々の症状は何らかの
影響は受けているのです。
これが治療において重要な考え方である「木を
見て森を見ず」ならぬ「木（患部）を見て森（全体）
を見る」になります。
もし、膝だけでなく、他の箇所にも痛みが出ている
のなら、因果関係やその原因になる背景まで見つ
けられると良いですね。
どこか治療院などに通われているなら、セラピスト
に相談してみると良いかもしれませよ。
はい、今回はここまで(^_-)-☆
当院では、主訴でない症状も検査・ヒアリング
が重要だと考えている西宮市内でも珍しい
整骨院になります。(^^)/）
現在、『院』・『個人』インスタでも
セルフケアなどの健康情報を発信していますので
是非チェックしてみて下さい。
という事で、これからも皆さんに様々な角度から
お役に立てる情報を発信していきますね！(*^-^*)
影山鍼灸整骨院 代表 影山大造
