スポーツ中の股関節の付け根の痛み「グローイングペイン」とは?

サッカーや陸上、野球などのスポーツをしていて、

「走ると股関節の付け根が痛い」
「キックや切り返しで内ももに痛みが出る」「休むと楽になるけれど、運動を再開するとまた痛む」

このような症状がある場合は、グローイングペイン(鼠径部痛)の可能性があります。

グローイングペインとは、股関節の付け根や内もも、恥骨周辺に起こる痛みの総称です。痛がる少年サッカー選手とボール

グローインペインはなぜ起こるの?

股関節の付け根には、お腹や内もも、股関節を動かす多くの筋肉が集まっています。

その中でも特に関係しやすいのが、内ももの「内転筋」と、お腹の筋肉です。

お腹の筋肉は恥骨を上方向へ引っ張り、内転筋は下方向へ引っ張ります。両方の筋肉が硬くなったり、繰り返し強く使われたりすると、恥骨周辺が上下から引っ張り合う状態になります。

イメージとしては、恥骨を中心に、お腹と内ももが「綱引き」をしているような状態です。

その状態でキックやダッシュ、方向転換を繰り返すことで、内ももの付け根や恥骨周辺に負担がたまり、痛みにつながります。

グロインペインの「2大原因」解説図

複雑な動きでは「ねじれ」も起こります

走る、蹴る、切り返すといったスポーツ動作では、脚だけでなく、股関節や骨盤、お腹、上半身が連動して動きます。

ところが、この連動がうまくいかなくなると、内ももは下方向、お腹は上方向や横方向、股関節の筋肉は骨盤を前後に引っ張るようになります。

その結果、股関節の付け根や恥骨周辺に、さまざまな方向から力が加わります。

これは、身体の中心が「雑巾絞り」のようにねじられている状態です。

このタイプでは、内ももを揉んだ直後は一時的に楽になっても、運動を再開すると痛みが戻りやすくなります。

痛い内ももだけが原因とは限りません

内ももの筋肉が硬くなっている場合でも、内ももだけに問題があるとは限りません。

本来、走ったり片脚で身体を支えたりするときは、お尻の筋肉が股関節や骨盤を安定させます。

しかし、お尻の筋肉がうまく働いていないと、その分まで内ももが頑張らなければなりません。

その結果、内ももの筋肉が常に緊張し、硬くなっているのに力が入りにくい状態になることがあります。

つまり、内ももは「強いから硬い」のではなく、働きすぎて疲れている可能性があるのです。

股関節前面の詰まりが関係することも

グローイングペインでは、内ももや恥骨だけでなく、股関節そのものの動きが関係している場合もあります。

例えば、

  • 足を高く上げると股関節の前が詰まる

  • 深くしゃがむと鼠径部が痛い

  • キック動作で股関節の前に鋭い痛みが出る

  • 股関節を曲げながらひねると痛い

といった場合です。

このようなケースでは、お腹の奥にある腸腰筋の硬さや、骨盤の傾き、股関節の動かし方なども確認する必要があります。

当院では身体全体の動きを確認します

当院では、痛みがある場所だけでなく、なぜそこに負担が集中しているのかを確認します。

主に、

  • 股関節の動く範囲

  • 骨盤の傾き

  • お尻や内ももの筋力

  • 片脚立ちの安定性

  • 足を上げる動作

  • しゃがむ動作

  • 走る、蹴る、切り返す時の身体の使い方

などを確認します。

そのうえで、負担が集中している筋肉を整え、お尻やお腹の筋肉が正しく働くようにしていきます。

痛い部分だけを緩めるのではなく、股関節・骨盤・上半身がスムーズに連動する身体を目指すことが大切です。

まとめ

グローイングペインは、単なる内ももの使いすぎだけで起こるものではありません。

股関節や骨盤、お腹、お尻の筋肉がうまく連動しなくなり、鼠径部や恥骨周辺に負担が集中することで痛みが起こります。

そのため、痛い場所だけを揉んだり、休んだりするだけでは、スポーツを再開した時に再発することがあります。

股関節の付け根の痛みを繰り返している方や、キック・ダッシュ・方向転換で痛みが出る方は、我慢して運動を続けず、お早めにご相談ください。

 

KMS西宮鍼灸整骨院 副院長 荻野